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話題の“クラフトサケ”とは?

話題の“クラフトサケ”とは?

目次

    「クラフトサケ」とは?

    「クラフトサケ」とは、日本酒の製造技術をベースにしながらも従来の清酒では採用できないプロセス(副原料を加える、搾らないなど)を取り入れた新ジャンルのお酒です。小規模醸造で造り手の個性や地域性が表現され、フルーツやハーブなどを用いた味わいの自由度が高いのが特徴です。

    クラフトサケとは? 日本酒とどう違うの?

    日本酒(清酒)は、酒税法上「米、米麹、水」を原料とする発酵酒として定義されますが、クラフトサケは発酵過程でフルーツやハーブ等の副原料を使い、法的には「その他の醸造酒」に分類されます。これにより、清酒免許なしでも酒造りが可能です(「その他の醸造酒」の免許が必要)。

    クラフトサケが勃興した背景とは?

    クラフトサケが勃興した背景には、日本酒製造を取り巻く厳格な免許制度がある。本来、日本酒(清酒)を造るための製造免許は新規取得が極めて難しく、事実上、既存の酒蔵に限られてきた。そのため、国内市場への参入には酒蔵の買収や事業承継以外に現実的な選択肢がなく、多額の資金が必要となる点が、スタートアップや個人醸造家にとって大きな壁となっていた。

    この閉塞感を打破したのが、副原料を用いた『その他の醸造酒』という枠組みの活用である。米や麹に加え、果物やハーブなどを副原料として規定量以上使用すれば、清酒とは異なる免許区分で製造が可能となる。これにより、取得困難な清酒免許を回避できるだけでなく、年間の最低製造数量基準も大幅に低くなるため、小規模な醸造所でも参入が可能になった。

    制度上の制約を逆手にとり、自由な副原料の使用を『個性』へと昇華させる。この創意工夫こそが、従来の日本酒の枠を超えた『クラフトサケ』という新ジャンル誕生の原動力となったのである。

    クラフトサケの黎明期については、一般的にWAKAZEが道を切り拓き、haccobaがその旗印(言葉)を掲げてジャンル化したと言われています。WAKAZEは 2018年、東京・三軒茶屋の極小醸造所で清酒免許の壁を『その他の醸造酒』という枠組みで突破。ボタニカル素材を用いた自由な酒造りを都心でビジネスとして成功させ、後に続く造り手たちに参入の道筋を示したパイオニアとされています。

    haccoba(ハッコウバ) 2021年に福島で創業。伝統的などぶろくにホップを掛け合わせた酒造りを行うだけでなく、『クラフトサケ』の名付け親としてジャンルを確立しました(「クラフトサケ(Craft Sake)」という商標は、株式会社モトックスが所有)。 また、協会設立を通じて全国の醸造所を組織化し、商標利用の環境を整えるなど業界を牽引。バラバラだった個々の挑戦を一つの大きなムーブメントとしてまとめ上げ、社会に定着させる役割を果たしています。

    クラフトサケのメーカーとは?

    以下は代表的なクラフトサケ醸造所・メーカーです。各社の特徴と代表的な銘柄、公式情報(公式サイトURL)をまとめています。

    株式会社 WAKAZE 

    クラフトサケのパイオニアとして知られる醸造所です。東京・三軒茶屋に加え、フランス・パリにも醸造所「Kura Grand Paris」を設立。VC(ベンチャーキャピタル)からの大型資金調達を背景に、日本発のグローバルSAKEブランドとして世界展開を加速させています。

    代表銘柄例: THE CLASSIC(フランス産清酒)、三軒茶屋のどぶろく 

    公式サイト: https://www.wakaze.jp/

    株式会社 haccoba

    福島県発のクラフトサケブルワリー。伝統的などぶろく製法を現代的に再解釈し、ホップやベルギービールの技法を取り入れた発酵酒を造っています。

    代表銘柄例:はなうたホップス(ドブロク×ホップ)

    公式URL: https://haccoba.com/

    株式会社 ALL WRIGHT

    浅草の「木花之醸造所」併設のクラフトサケ醸造所で、“どぶろく”をベースにホップや副原料を加えた個性派サケを手掛けています。浅草のバル「ALL (W)RIGHT – sake place –」でも提供されています。

    代表銘柄例: ハナグモリ(どぶろく系クラフトサケ)
    公式サイト(ブランド情報): https://konohanano-brewery.com/allwrightsakeplace

    株式会社 LIBROM

    福岡市のクラフトサケ醸造所。福岡県産の米と果物などを組み合わせた自由な発想のクラフトサケを醸造しています。

    代表銘柄例:COLA(コーラ風味クラフトサケ)

    公式URL: https://librom.jp/

    稲とアガベ株式会社

    秋田県男鹿市を拠点に、積極的な資金調達で急成長を遂げているクラフトサケ醸造所。代表の岡住修兵氏は、名門「新政酒造」での麹造りや自然栽培米の稲作、東京での醸造長経験を持つ異色の経歴の持ち主です。 2021年の創業以来、その確かな技術で地域の風土を活かした多様な商品を展開。文化普及イベント「猩猩宴」の主催など、業界を牽引するリーダーとして注目を集めています。

    代表銘柄例:「稲とアガベ」シリーズ
    公式URL: https://inetoagave.com/

    LAGOON BREWERY合同会社 

    新潟市に拠点を置くブルワリー。米由来の発酵を活かしつつ、フルーツやハーブ等を用いた新感覚のクラフトサケを発信しています。 

    代表銘柄例:翔空(SAKE)、サンカクなど 

    公式URL: https://www.lagoon-brewery.com/

    ハッピー太郎醸造所 

    滋賀県長浜市のクラフトサケ醸造所。糀屋を営むハッピー太郎氏が、どぶろく系をベースに地域色ある原料や味わいに挑戦しています。 

    代表銘柄例: サムシングハッピー 苺屋はな
    公式URL: https://happytaro.jp/

    株式会社 平六醸造

    岩手県紫波町の重要文化財「日詰平井邸」を拠点とするクラフトサケ醸造所。 創業者の平井佑樹氏は、盛岡の老舗「菊の司酒造」の平井家出身。コロナ禍による実家の蔵の売却・退任を経て、米作りからの修行を行い、この地で新たな酒造りに再挑戦しました。 100年の眠りから目覚めた蔵付き酵母「アカツキ」や、自ら育てた米など、地元の風土と自身のルーツを深く反映させた酒造りが特徴です。


    代表銘柄例: Re:vive Origin アカツキ
    公式URL: https://www.hiraroku.com/

    株式会社 ぷくぷく醸造

    福島県南相馬市のクラフトサケ醸造所。地域文化と発酵の個性を活かした濁酒・どぶろく系の飲み物を提供しています。
    代表銘柄例: 公式サイトに詳細あり
    公式URL: https://www.instagram.com/pukupukubrewing/

    醸造所「ADACHI NOUJO」

    大阪・高槻発のクラフトサケブルワリー。地元産米や果実、ハーブなどを用い、副原料を溶け込ませた独自のクラフトサケを造っています。
    代表銘柄例: MIYOI(副原料シリーズ)
    公式URL: https://adachinoujo.thebase.in/about

    クラフトサケブリュワリー協会とは?

    クラフトサケブリュワリー協会(JAPAN CRAFT SAKE BREWERIES ASSOCIATION)は、クラフトサケの社会的位置づけを高め、新規造り手を支援し、市場活性化を目的とした団体です。協会が定義する「クラフトサケ」は、日本酒(清酒)の技術を基盤にしながらも法的枠に縛られない自由な発酵酒を含みます。加盟醸造所はこの定義のもと、独自の多様な製品を発信しています。

    クラフトサケの商標は?

    「クラフトサケ(Craft Sake)」という商標は、株式会社モトックスが所有しています。本協会や加盟メーカーは、同社から使用許諾を受けてこの名称を用いています。

    ハーブを利用したクラフトサケとは?

    ハーブを用いたクラフトサケは、フレーバーの多様性と香りの特徴を強めるために人気が高まっています。

    代表的な例として以下があります。

    クラフトサケの海外展開について

    クラフトサケは近年、海外市場でも注目を集め始めている。背景には、SAKEが『伝統的な日本酒』から『発酵文化を持つクラフトアルコール』として再評価されている流れがある。特に欧米では、クラフトビールやナチュラルワインに親しんだ層が、フルーツやハーブを使ったクラフトサケの自由な味わいに関心を示している。

    日本独自の厳格な清酒の定義に縛られないため、現地のフルーツやハーブを取り入れるなど、各国の食文化や嗜好に合わせたローカライズがしやすい点は大きな強みだ。一方で、SAKEカテゴリー自体の認知不足や一般流通網の開拓など課題も多く、今後は輸出のみならず、現地醸造の展開も含めた『日本発クラフト発酵酒』としてのブランド構築が鍵となる。

    まとめ

    クラフトサケは、長年日本酒業界を覆っていた「製造免許の壁」という規制を、逆転の発想でイノベーションへと昇華させた革命的なジャンルです。 本来、新規参入が極めて困難な日本酒造りにおいて、あえて副原料を使用し「その他の醸造酒」の枠組みを活用することで、志ある若手醸造家やスタートアップが参入可能となりました。この制度的な「余地」は、結果としてホップやハーブ、果実などを自在に操る自由な酒造りを生み出し、造り手の個性と地域の風土を色濃く反映した新たな文化として開花しています。

    稲とアガベや平六醸造、haccobaなどが切り拓いたこの道は、従来の日本酒ファンだけでなく、クラフトビールやナチュラルワインを愛好する層をも巻き込み、熱狂的なコミュニティを形成しつつあります。さらに、その自由度の高さは各国の食文化や嗜好にローカライズしやすく、「日本発のクラフト発酵酒」として世界市場へ羽ばたく大きなポテンシャルを秘めています。 伝統への深い敬意と、規制をも味方につけるたくましい創意工夫。クラフトサケは単なるブームを超え、日本酒の新たな可能性を拓くスタンダードとして、今後も進化を続けていくことでしょう。