
冬の冷えは胃腸から始まる。脾胃を整えて内側から温める方法
冬の冷えは胃腸から始まる。脾胃を整えて内側から温める方法
冬になると「手足が冷える」「お腹が冷たい」「体が温まりにくい」といった悩みが増えます。冷えと聞くと、多くの方は「血行不良」や「運動不足」を思い浮かべますが、漢方ではもうひとつの原因として 胃腸(脾胃)の弱りを考えます。
脾胃は食べたものを消化し、エネルギー(気)と血を作り出す場所です。その働きが悪くなると、十分な気が作れなくなり、体を内側から温める力が不足してしまいます。その結果起こるのが 「内臓の冷え」です。手足だけでなく、お腹や体全体が冷えます。
ここでは、脾の弱りから起こる冷えの特徴、冬に胃腸が弱りやすい理由、そして脾を助ける食べ方についてご紹介します。
脾の弱りから起こる冷えとは
脾は、食べたものから気・血・水を生み出し、全身に送り届けるエネルギーを製造する工場のような臓腑です。脾が弱ることを中医学では 「脾虚(ひきょ)」 と呼びます。
脾虚が進むと、次のような冷えが起こりやすくなります。
・体の中心から冷える
手足の冷えよりも、お腹・腰・お尻などが冷たくなります。温めてもすぐに冷える、布団に入ってもお腹だけ冷たい。という方は、脾虚が原因だと考えます。
・ 食後に眠くなる・だるい
食べてもエネルギーがうまく作れず、胃腸に負担がかかって疲れやすくなります。
食後に眠気やだるさが出るのは「脾の弱り」の代表的サインです。
・むくみ・水太り
脾が弱ると水分が停滞しやすくなり、むくみや水太り、下半身太りの原因になります。
・便がゆるい・ガスが多い
消化力が低下し、軟便が続いたり下痢をしやすくなります。脾の弱りによる冷えは、体のエネルギー不足から起こる冷えです。
冬に脾が弱る理由
冬は寒さが厳しくなる季節ですが、体の中も冷えやすく、胃腸への負担が増える時期です。理由は大きく3つあります。
1.寒さで内臓の動きが鈍くなる
気温が低いと体は熱を逃さないようにと血管を収縮させます。その結果、内臓の血流が低下し、胃腸の働きが弱まるという流れが起こります。特に胃腸は冷えに弱く、冷えると消化力が落ち、脾虚につながりやすくなります。
2.冷たい飲食物の取りすぎ
ヨーグルト・サラダ・冷たい飲み物などを食べると体が冷えます。これらを食べ続けると胃腸の負担が蓄積し、内臓から冷えてしまうこともあります。
3.暴飲暴食・イベント続き
年末年始は外食やご馳走が増え、油っこいもの・甘いもの・アルコールが重なりがちです。これらは脾の働きを弱めるため、冬場の冷えと重なってダブルで脾に負担がかかります。
脾を弱らせない冬の生活習慣
脾は食事だけでなく、日々の暮らし方からも大きく影響を受けます。冬は特に負担がかかりやすいため、以下のポイントを意識しましょう。
1.朝はゆっくり温める時間をつくる
起床直後の身体は冷えており、脾胃の動きが鈍い状態。白湯をゆっくり飲む、軽くストレッチをするなど、体をじんわり温める時間をとりましょう。
2.首・お腹・腰を冷やさない
脾胃は冷えが大敵です。
特に
・首まわり
・お腹
・腰
は冷やすと内臓の働きが落ちやすくなります。腹巻やカイロを活用して「体の中心」を温めると、脾胃がしっかり働くようになります。
3.気合の入った朝ごはんはNG
「朝だから食べないと…」と無理に食べると、かえって脾胃に負担がかかります。
食欲がない日は、温かいスープやお粥など、軽くて消化のよいものがおすすめです。
脾を助ける冬の食事
冬のキーワードは「温かい」「やわらかい」「黄色の食材」。脾は湿気と冷えが苦手です。そのため、冬の食事では以下の3つを意識することが大切です。
1.温かいものを食べる
胃腸はあたたかい環境でよく働きます。
・温かい汁物
・温かいお茶
・蒸し料理・煮込み料理
など、火を通した料理を選びましょう。冷たい飲み物は胃腸を一気に冷やすため、冬場は常温〜温かい飲み物に切り替えるのがおすすめです。
2.やわらかく煮る・消化しやすくする
脾が弱っているときは、硬いもの・脂っこいもの・濃厚な味付けは負担になります。
・お粥
・煮込みうどん
・蒸し野菜
・スープ
など、柔らかくて消化しやすい料理が脾を助けます。胃腸が弱ると気が作れなくなるため、まずは胃腸に休息を与える食べ方が大切です。
3.黄色い食材は脾を養う
中医学では「黄色=脾を補う色」。特に冬におすすめなのは以下の食材です。
かぼちゃ
さつまいも
にんじん
とうもろこし
じゃがいも
白米
しょうが
これらは胃腸を温め、気を補ってくれる食材です。スープ、煮物、お粥、味噌汁に少し足すだけで、体の内側からじんわり温まります。
冬におすすめのお酒には次のようなものがあります。温めて飲みましょう。
まとめ
冬の冷えは外からの寒さだけでなく、胃腸の働き低下による内側の冷えが大きく影響します。脾が弱ると気が作れず、体を温める力が不足してしまいます。冬こそ胃腸のケアが欠かせません。
ポイントは、「温かい」「やわらかい」「黄色い食材」この3つを意識すること。 無理に特別なことをしなくても、日々の食卓を少し整えるだけで、冬の冷えが軽くなります。
