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小麦アレルギーの心配を減らす!食べられるものと代替食品の選び方

小麦アレルギーの心配を減らす!食べられるものと代替食品の選び方
近年、食物アレルギーに対応した食品の市場は拡大し、スーパーやインターネットでも多様な商品を目にするようになりました。その一方で、「この食品は食べられるだろうか?」「どの商品を選んだらよいかわからない」といった不安を感じる方も少なくないでしょう。この記事では、小麦アレルギーをお持ちの方やそのご家族に向けて、管理栄養士の視点から、小麦の代替食品の選び方について解説します。
目次

小麦の代替品と注意したい食品

小麦はパンやうどん、パスタといった主食だけでなく、普段何気なく口にしている食品にも含まれていることがあり、日々の食生活では注意が必要です。ここでは、小麦アレルギーの方が注意すべき食品と食べられる可能性がある食品について解説します。

小麦が含まれる主な食品

小麦は、さまざまな食品の原材料として使われています。特に注意が必要な食品をまとめました。
主食パン、うどん、パスタ(スパゲティー、マカロニ)、中華めん、そうめんなど

※米粉パンやそばにも、一部に小麦粉や小麦グルテンが使用されています。
加工食品市販惣菜(肉まん、たこ焼き、お好み焼き、グラタン、ピザなど)ハム、ウインナー、ソーセージ、ちくわ、かまぼこ、揚げ物の衣(唐揚げ、フライ、コロッケ、天ぷら)、パン粉、お麩、ミックス粉、シューマイや餃子の皮、春巻きの皮など

※加工食品にはさまざまな用途で小麦粉が使われるため、使用前は必ず原材料表示を確認しましょう。
※ベーキングパウダーにも、小麦粉でんぷんが含まれる可能性があります。
調味料市販のカレールウやシチューの素、ドレッシング
その他ケーキ、クッキー、ビスケットなどの洋菓子、スナック菓子、まんじゅう、小麦せんべいなど
これらの食品を購入する際は、必ずパッケージの原材料表示を確認するようにしましょう。特に調味料や加工食品には、思わぬ形で小麦が含まれている場合があるため、注意が必要です。 また、外食やお店で惣菜を購入する際には、食物アレルギーに関する情報提供が義務付けられていないため、利用の際は使用食材をお店の方に確認することが大切です。

小麦の代替品として使える食品

小麦の代わりに、料理やお菓子作りに活用できる食品は多くあります。
食品 活用方法
米粉 ・パンやケーキの生地、天ぷらの衣
・米粉を使った麺(フォー、ビーフン)
・ライスペーパー、米粉で作られた餃子の皮
雑穀粉 ・きびやあわ、ひえ、とうもろこしの粉
・雑穀を使った麺(あわ麺、ひえ麺)
片栗粉、コーンスターチ ルウや料理へのとろみづけ
コーンフレーク、米粉のパン粉、砕いた春雨 揚げ物の衣
きな粉、大豆粉、おから パンやケーキの生地
そば粉 ガレットやクレープの生地
例えば、米粉はパンやケーキ、天ぷらの衣など、幅広い料理に使いやすいのが特徴です。 また、近年は雑穀粉を使った雑穀麺の種類も増えています。つなぎにアレルギー反応のリスクが少ないタピオカでんぷんを使ったり、そばやうどんの製造ラインとは分けて製造されている場合もあります。 片栗粉やコーンスターチは料理のとろみづけに使い、コーンフレークや大豆フレーク、砕いた春雨は揚げ物の衣の代わりに使うことも可能です。小麦粉を使用しないルウも登場しており、代替品として乾燥させたいも類やコーンスターチなどの食品が活用されています。 小麦が使えなくても、さまざまな食品で代替できることを覚えておきましょう。

食品を選ぶ際の基本ルール

小麦アレルギーの方が食品を選ぶ際には、食品の表示についても知っておくとよいでしょう。ここでは、正しい食品表示の見方やリスクを回避するためのポイントを紹介します。

食品表示の確認

食品表示法では、特定の原材料についての表示が義務付けられています。
特定原材料8品目(令和7年9月時点) 小麦、そば、卵、乳、えび、かに、落花生(ピーナッツ)、くるみ
特定原材料に準ずる20品目 大豆、鶏肉、バナナ、豚肉、まつたけ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン、アーモンド、あわび、いか、いくら、オレンジ、カシューナッツ、キウイフルーツ、牛肉、ごま、さけ、さば
これらの表示を使用前に確認することで、アレルギー反応のリスクを軽減できる可能性があると考えられます。また、「グルテンフリー」といった表示にも注意してください。 グルテンフリーは、タンパク質の一種である「グルテン」を含まないことを示しますが、必ずしも小麦不使用を意味するわけではありません。 製品によっては、小麦が含まれている場合も否定できないため、まずは特定原材料の表示を優先するようにしましょう。 【食品表示の仕方の例】 ・ベーキングパウダー(小麦由来) ・増粘剤(加工でんぷん:小麦由来) ・白いんげん豆、小麦粉、砂糖、栗甘露煮、卵黄/炭酸水素ナトリウム(中略)(一部に小麦・卵・乳製品を含む) 原材料の表示ができる面積には限りがあるため、最後に一括表示される可能性も視野に入れておきましょう。

コンタミネーションのリスクと回避方法

コンタミネーションとは、食品を製造する過程で特定原材料等が意図せず混入してしまうことを指します。コンタミネーションの可能性が排除できない場合は、以下の注意喚起が表示される場合があります。 「本製品は、〇〇(小麦など)を含む製品と同じ設備で製造しています」 これらの原材料表示の意味を理解し、ご自身の体調に合わせて商品を選ぶことが大切です。企業によっては、コンタミネーションについて自社のHPで情報を公開している場合もあるため、合わせて確認してみてください。

食事シーン別!小麦の代替食品と市販品のおすすめ

ここでは、日々の食事シーンごとに、小麦の代替品や市販のおすすめ商品を紹介します。

米粉パン

100%国産米粉使用のベーグルです。小麦粉・卵・乳不使用のため、アレルギーを持つ方も一緒に食べられます。トーストすると外はカリッ、中はもちもちの食感が楽しめ、朝食やおやつにおすすめです。選ぶ楽しさがあり、素材にもこだわったやさしいパンです。
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米粉パンのメリットは、家族みんなでパンが食べられる、米粉のもちもちとした食感が楽しめる、冷凍保存できるものがある点です。 少し多めに買っておくと、いざというときに活用しやすく便利です。 店頭で米粉パンを購入する際は、小麦の使用についての確認が必要ですが、小麦粉不使用のものを準備できれば外出先でもよりスムーズに食事ができるでしょう。

米粉・雑穀を使った麺 ~お米のうどん~

国産米粉を使用し、アレルゲン28品目不使用の米麺です。しっかりとしたコシとのど越しがあり、温麺や冷麺、炒め物にも使えます。賞味期限が約1年と長いため、備蓄用にも◎。
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米粉・雑穀を使った麺 ~お米のラーメン~

国産米粉100%のグルテンフリーラーメンです。ツルッとした口当たりでのど越しも抜群。加熱時間は3分と短いほか、電子レンジを使って手軽にゆでられるのも嬉しいポイントです。
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米粉や雑穀を使った麺類は、うどんやラーメンの代替として使えます。ゆで上がりが早いものが多く、手軽に調理できるのが特徴です。 近年は豊富なラインナップがそろっており、飽きずに食べられる楽しさもあります。一部に小麦粉が使用される場合があるため、「小麦粉不使用」「特定原材料8品目不使用」などの表示を確認しましょう。

米粉クッキー・ケーキミックス

特定原材料8品目不使用で、国産米粉が主原料のケーキミックスです。ほんのりやさしい甘さから、おやつだけでなく食事用にも活用できます。水と油を加えて焼くだけで、ふんわりもちもちのパンケーキが完成します。
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小麦粉の代わりに米粉を使用したクッキーや、特定原材料8品目を使用していないケーキミックスも販売されています。 ケーキミックスを購入することで、お菓子作りを楽しむきっかけになるでしょう

小麦粉不使用のルー

小麦粉・化学調味料不使用で、100%植物性由来の原料を使ったカレールーです。素材の旨みを活かした奥深い味わいが魅力です。フレークタイプで溶けやすく、分量調節も簡単。家族みんなでおいしいカレーを楽しめます。
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カレーやシチューのルーにも、小麦粉を使用していない商品があります。ご家族みんなで同じメニューを楽しめるのが嬉しい点です。

小麦不使用の天ぷら粉

国産米粉を主原料にしたグルテンフリーの天ぷら粉です。 小麦粉不使用なのにサクッとした食感が長く続くのが特徴。水だけで手軽に調理でき、小麦粉と比べて吸油率が少ないため、さっぱりヘルシーに仕上がります。
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こちらの米粉の天ぷら粉は、サクサクとした軽い食感に仕上がり、水があれば作れる手軽さが魅力です。
また、代表的な調味料であるしょうゆの原材料で利用される小麦に関しては、醸造の過程でアレルゲンが消失すると考えられており、原材料に小麦の表示があっても基本的にはしょうゆを除去する必要はありません。 参考:食物アレルギー研究会より これらの商品を上手に取り入れて、食の楽しさを広げてみてくださいね。

おいしく食べるためのヒント

食物アレルギーを持つ方にとって、食事は「我慢するもの」という認識があるかもしれません。しかし、少しの工夫で食生活を今よりも豊かにすることが可能です。ここでは3つの観点から、食事を楽しむヒントについて紹介します。

簡単な自炊やレシピの活用

自宅での食事には、小麦粉の代替品を上手に活用してみましょう。例えば、米粉のホワイトソースや唐揚げ粉などの市販品も多く販売されています。 インターネットには、小麦を使わないレシピも紹介されているので、家族みんなで食卓を囲むきっかけにしてみてくださいね。

外食での注意点と周囲との連携

外食や中食では、食物アレルギーに関する情報提供が義務付けられていない場合があるため、「どれを選んだらよいかわからない」と困ることも多いでしょう。 しかし、アレルギー反応のリスクを最小限に抑えるためにできることもあります。 ・近くのお店で低アレルゲンメニューの提供がないかを確認する ・事前に電話をして、アレルギー表示の有無や食品の持ち込みが可能かを確認する ・アレルギー情報について記載したカードを持参する これらの行動がお店でのスムーズな対応につながる可能性があります。 また、学校や保育園の給食の場合は、先生や調理員の方々との連携が大切です。特定の原材料を完全に除去するのか、ほかの子どもと同じ食事にするのかなど、食べられる範囲を確認し、正確な情報共有を行うことで食事の可能性を広げるきっかけになるでしょう。

栄養バランスを保つためのヒント

小麦粉を普段の食事から除去すると、炭水化物や食物繊維、ビタミンB群などが不足する可能性があります。 しかし、米や雑穀、じゃがいも、米粉のパンなどの主食にしながら、野菜や果物、きのこ、海藻などをとり入れることで、栄養のバランスを保ちやすくなります。 お米や雑穀を使った食品(フォーや乾麺)を利用したり、市販の小麦粉不使用のパンを活用してみるなど、時には市販品にも頼りながら、負担を減らして食事の準備をしてみてくださいね。

正しい知識を知って食の選択肢を広げよう

今回は、小麦アレルギーの方でも食事を楽しむためのヒントや工夫について紹介しました。小麦不使用の食品や原材料表示の見方、外食での注意点などについて知ると、管理栄養士の視点から見ても、食べられる可能性は今後もどんどん広がっていくと考えられます。 日々の食事を「我慢する」のではなく「楽しむ」ために、まずは知ることから始めてみましょう。 皆さんの食生活がより豊かで、安心して楽しめるものとなることを願っています。
【本記事の監修者】 管理栄養士 堀川えり(Xをみる
堀川えり
監修者
堀川えり
プロフィール:「身近な人の健康を支えたい」という想いで活動している管理栄養士ライター。学校や保育園での調理業務、医療機関での外来栄養指導など、6年の実務経験を経て独立。食の専門知識をわかりやすく伝えるため、200記事以上の執筆を担当。
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